歯と歯の間の歯茎も再生される!?
歯と歯の間の歯茎が下がってしまった場合に、歯茎の移植を伴う再生治療では、歯と歯の間の歯茎を回復させることが難しいことが報告されておりました。
歯と歯の間は移植した皮膚に血液が供給しにくいため上げた皮膚が維持されないものだと私も考えておりました。
それが、この数年骨の再生治療を行う際に使用するリグロスという生体材料を歯茎の再生に併用することで、歯と歯の間の歯茎も回復するケースが出てきました。今後、研究が進んで歯と歯の間の歯茎の回復も根拠のある治療になってくるかもしれません。
今回は、従来、部分的な歯茎の回復を歯茎の再生治療で行い、歯と歯の間の隙間が気になる場合はダイレクトボンド法などの手段で隙間を埋めてきたケースに対して、リグロスと皮膚移植を併用して歯と歯の間の歯茎がある程度回復したケースをご紹介いたします。
歯と歯の間と表側の歯茎の再生治療ケース
まずは、上下2枚のお写真を見比べてください。
同じ方の下の前歯の治療前後の写真です。
歯の長さが短くなっているのが分かりますか?
従来は、歯と歯の間の歯茎が下がってしまっている場合、間の歯茎の位置までしか歯茎が上がらなかったのですが、今回は、間の歯茎の位置自体が上がっています。
リグロスを併用することで、より歯ぐきの再生治療による効果が予想を超えるものになってきています。
現時点では確実性が不確かですので、歯と歯の間の歯茎の回復は今後の研究次第ということになるかと思いますが、可能性が出てきたものだと思います。
無料カウンセリングお問い合わせ
神田ふくしま歯科
東京都千代田区神田鍛冶町3−2−6F スターバックス上
JR神田駅北口より徒歩1分(東京駅の隣の駅です)
0120-25-1839
03−3251−3921
~歯茎の再生治療の注意~
お写真を見ていただいてわかるように回復した歯茎が剥がれてしまっているということはありません。しっかりと厚くて丈夫な歯茎が出来上がってきています。
歯茎の再生治療は保険外診療となります。当院では、歯茎の再生治療1~3本で7万7千円(税込み)かかります。お写真のケースでは、上の前歯6本の歯茎の再生治療を行い、15万4千円(税込み)とリグロスの料金の4万4千円(税込み)の合計額19万8千円がかかりました。
歯茎が下がって歯の根っ子が露出しています。このケースのように歯茎の炎症がなく、歯と歯の間の骨が吸収していないケースに関しては、露出した歯の根っこを覆えることが報告されています。
リスク
歯茎の移植を伴う外科的な治療ですので、治療後に糸でしっかりと縫う必要があります。尖ったものが刺さってしまったりして歯茎が開くと出血してしまうリスクがあります。
歯茎の再生治療は、歯周病の進行具合や感染の状況によって回復できる歯茎の位置が変わります。ご希望の位置まで歯茎が必ず回復する治療ではありません。
リグロスの注意
リグロスの効果
リグロスは歯周組織欠損部の未分化間葉系細胞、歯根膜由来細胞に対して増殖促進作用を示すとともに血管新生を促進します。これらの作用により増殖した細胞は骨芽細胞、セメント芽細胞へと分化し、歯槽骨、セメント質及び歯根膜の新生や結合組織性付着の再構築により歯周組織が再生されます。そのため、歯周炎による歯槽骨の欠損の治療薬として承認されています。歯茎の再生治療(結合組織移植術)でリグロスを使用することで、従来以上に移植後の歯茎の厚みが維持でき、また歯茎の再生量が増えます。
用法・用量
歯茎の移植時に直接歯茎に塗布します。
副作用・リスク
リグロスを使用すると通常の歯茎の再生治療に比べて、腫れが大きく、期間も長くなります。
主な副作用として、適用部位における歯肉白色化、歯肉紅斑、腫脹および頭痛などが報告されています。
費用
歯茎の再生治療時に使用した場合、処置代に加えて¥44,000-(税込み)が別途かかります。